伝統の「高遠そば」を「ざる」で召し上がれ
「高遠そばますや」には、天ぷらもかけそばもうどんもありません。伝統の「高遠そば」をメインにざるそばだけです。高遠入野谷産と八ヶ岳山麓産の玄そばを基本に、三つの石臼で「玄」「抜き」「田舎」 に碾きわけます。 この三種のそばを、半量ずつ茹でたてで提供するのがますやの一番の特徴です。
ざるそばには、二種類の異なるつゆを用意。江戸風つゆには店内で削りたて二年もの本枯本節ですっきり仕上げ、高遠そばには枯鯖節を使い、焼き味噌とマッチする旨味を引き出しました。カエシは地元養命酒の味醂を使い、また、希少糖を使って砂糖を減らし糖質2/3にしています。無愛想な偏屈おやじが、テグスネならぬ手臼をひいてお待ちしてます。
高遠そばとは
たくさんの大根をおろし、魚焼きグリルで味噌を焼き、大きなすり鉢に入れすりこぎで軽くあたってネギを入れる。食卓の真ん中に置いたすり鉢から多めにとって煮干しの出汁に入れ、打った蕎麦をワシワシ食べる。それが高遠の人たちが食べてきた「からつゆ」です。
高遠そばは、そんな素朴な「からつゆ」がルーツです。江戸時代の初期から伝わり、塩以外は畑で採れた物だけでできた「からつゆ」は、砂糖、鰹節、醤油、味醂を使って次第に洗練されていった江戸そばつゆの原型と言えるかもしれません。
信州のそばを自家製粉
ますやでは、店内で「玄」「抜き」「田舎」三種類のそば粉の自家製粉をしています。
「玄」は、高遠産のそばを鬼殻付きのまま碾(ひ)いて芯に近い部分だけを使い、そばの甘みを引き出しました。透明感があり、食感はちょっと固め、ツルツルののど越しです。玄そばからの歩留まり60%前後、自家製粉しているからこそできる贅沢な味です。
「抜き」は鬼殻を取り去った八ヶ岳山麓産のそばを、店内の石臼で粗く碾(ひ)き、つなぎ無しで打ちます。甘皮まで碾きこむため薄緑色が残ってそばの風味が強く、ザラッとした喉越しになります。加えるのは水だけ!
「田舎」は、玄のふるい上を16Meshの粗い目で五回ふるって、「玄」に25%加えた黒くて太めの十割そばです。外皮に近い部分があらびきでたくさんはいるので、噛んでたべる手強いそばとなります。
店内自家製粉の強みは、なんと言っても碾(ひ)きたてのそば粉で打てることです。そば粉は、碾(ひ)いて一週間でアクが感じられるようになります。毎日製粉しているますやでは、そば粉の鮮度が落ちやすい夏でもアクのない蕎麦そのものの香りと味があじわえます。
- お皿にのった冷たいおそば
冷やし鴨そば、トマトみぞれそば、サラダそば、高遠おろしば - 肴メニュー
塩麹鴨、鴨生ハム、馬すじ時雨煮、葉わさびおひたし - サイドメニュー
五平餅、手びきそばがき
メインのざるそば以外にもお楽しみいただけるメニューをご用意しています。中央アルプス(木曽山脈)が見える「ますや」で、高遠そばをお楽しみください。
基本情報
営業時間 | 11:00~15:30(L.O) |
定休日 | 火曜日(1月2月不定休)、その他(公式サイトでご確認ください) |
住所 | 長野県伊那市高遠町東高遠1071 MAP |
電話番号 | ☎ 0265-94-5123 |
三種の蕎麦はそれぞれ半人前ずつ茹で、辛味大根も注文ごとに手おろしするため、他店より提供時間がかかります。一年を通じて全量ワンオペ自家製粉&手打ちなので早めの品切れもあります。いろいろご迷惑をおかけしますが予めご了承ください。